海事アカデミア2022
 印刷 2022年02月17日デイリー版3面

22年度予算案】大阪港湾局、10%増の930億円。夢洲の万博工事本格化

 【関西】大阪港湾局は16日、大阪港を対象とする一般、港営事業両会計で2021年度当初予算比10%増の930億円となる22年度当初予算案(大阪市分)を公表した。25年開催の大阪・関西万博に向け夢洲地区でのインフラ整備工事の予算を増額。また同地区での物流円滑化対策のほか、隣接の咲洲地区での新・港湾情報システム(CONPAS)導入に向けた費用なども新たに計上した。

 内訳は一般会計が5%増の446億円、港営事業会計は14%増の483億円(うち収益的支出は33%減の108億円、資本的支出が43%増の375億円)。港営事業会計は土地売却の進展で収益的支出が減る一方、夢洲地区の整備に伴い資本的支出が増加している。

 夢洲地区の土地造成・基盤整備では一般・港営・下水道各事業で計272億円を計上、債務負担行為も107億円を設定した。同地区への鉄道整備がメインだが、物流と観光の動線分離のための高架橋整備や、夢洲・舞洲両地区の幹線道路工事も引き続き進める。

 夢洲の物流対策は11億円を計上。同地区でのCONPAS導入費用のほか、23年度供用の想定で新たに咲洲地区でのコンテナ車整理場の整備費用や、バージによる空コンテナ回送社会実験費用などを盛り込んだ。

 国際コンテナ戦略港湾関連は8800万円を計上。咲洲地区でのCONPAS導入に向けて新規で2600万円を盛り込んだほか、貨物集貨事業、ゲートオープン時間延長、農林水産物や食品輸出の促進も継続する。

 天保山岸壁の改良工事費用は1億4300万円を計上するが、超大型客船の初寄港が24年に後ろ倒しとなるため前年度比で大幅減額。天保山客船ターミナル整備事業は23年度から解体・新築工事にかかり、府市で合わせて予算要求する。

 また南海トラフ巨大地震に対する堤防などの耐震対策に24億円、台風被害を踏まえた埋め立て地での浸水対策に38億円、主航路浚渫等国直轄事業に27億円をそれぞれ計上する。

 府市港湾統合後、同港湾局で2度目となる予算では、大阪"みなと"カーボンニュートラルポート形成のほか、府市一体での集貨機能強化、大阪港および堺泉北港でのフェリー振興、海上交通活性化に向けた舟運の社会実験などで、府市双方で予算要求する。