フレックスポート、9.4億ドル調達 企業価値80億ドルに。ショッピファイなど投資、物流PF開発加速
米デジタルフォワーダーのフレックスポートは7日、ソフトバンク・ビジョン・ファンド1(SVF1)や著名VC(ベンチャーキャピタル)、EC(電子商取引)サイト構築支援のショッピファイなどから計9億3500万ドル(約1078億円)を調達したと発表した。これにより、フレックスポートの企業価値評価額は80億ドルを超えた。同社は調達した資金により、グローバルロジスティクスのテクノロジー・プラットフォーム(PF)開発を加速する。サービスの対象地域や領域の拡大にも取り組むほか、スタートアップに投資する。
今回の資金調達はシリーズEとしてアンドリーセン・ホロウィッツとMSDパートナーズが主導し、既存投資家からはSVF1のほかDSTグローバル、ファウンダーズ・ファンドが参加した。新規にショッピファイに加え、実業家なども投資している。
フレックスポートは貿易の買い手と売り手、物流事業者などグローバルな貿易のエコシステム(経済圏)全体をつなぐロジスティクスPFの構築を進めている。データによってサプライチェーンの透明性を向上し、スタートアップへの投資で物流技術の革新を支援する。
物流の混乱により、ロジスティクスの可視化・強靭(きょうじん)化需要が高まっている。同社はそうした需要を取り込み、2021年は売上高を前年の2倍以上の32億ドルに拡大。EBIT(金利・税引き前利益)は初めて黒字化した。同年の商品取扱額は約190億ドルで、112カ国の輸送を手掛けた。従業員数は約2700人以上となり、世界23拠点に事務所を置いている。同年6月には、荷主とトラック会社のマッチングプラットフォームを提供する米コンボイとの提携を発表した。
フレックスポートのライアン・ピーターセンCEO(最高経営責任者)は「あらゆる規模の予期せぬ課題に対応できる可視性と回復力を備え、テクノロジーに基づく物流エコシステムが必要とされている」とコメントした。