海事アカデミア2022
 印刷 2022年01月28日デイリー版2面

海事局長会見要旨(1面参照)

 国土交通省の高橋一郎海事局長の会見要旨(一部抜粋)は次の通り。

 【AI・IoT等を活用した輸送効率化推進事業】内航海運の省エネルギー化に向け、経済産業省と連携して事業者を支援する。昨年末の「内航カーボンニュートラル推進に向けた検討会」の取りまとめでは、今後の取り組みとして、省エネを追求した船舶の普及を図るための支援が必要であると明記された。

 このため、2022年度の実施事業では、運航最適化の取り組みも支援対象とし、ハード、ソフト両対策を支援する。採択枠は21年度よりも大幅に増加した。

 【IMO(国際海事機関)の第8回船舶設計・建造小委員会(SDC8)】1月17日から21日までリモートで開かれた。今回の成果は、船舶の復原性を正確に評価するための解説文書が最終化された。復原性を正確に評価するために、最新の科学的知見を盛り込んだ暫定指針に従って設計の計算式、既存船での試算例を盛り込んだ。4月のMSC(海上安全委員会)で承認される見込み。これにより、船舶の転覆事故の減少につながるよう期待している。

 【海事分野のカーボンニュートラル支援事業】海事分野のカーボンニュートラルの実現に向けてガス燃料船の普及が重要だ。LNG(液化天然ガス)燃料船の構成部品である燃料タンクは現在、海外に依存しており、内製化を進めなければならない。その取り組みの一つに環境省との連携事業がある。

 21年度補正予算で10億円を計上し、省CO2(二酸化炭素)に資する効率的なLNG燃料タンク製造の設備投資を支援する。補助率は2分の1以内。関係事業者には補助金を活用してもらい、燃料タンクの内製化に向けて積極的に取り組んでもらいたい。

 【燃料油価格激変緩和対策事業】27日から原油価格上昇に関する激変緩和対策事業として、燃料油価格抑制制度(ガソリン価格1リットル当たり170円を超えた分、最大5円を補填〈ほてん〉)が始まった。この事業では国交省海事局の働き掛けもあり、海運業界にとって欠かせない重油や軽油も補填対象となった。これにより、内航海運事業者の燃料油コスト負担低減につながればと願っている。