海事アカデミア2022
 印刷 2021年12月28日デイリー版3面

日通総研22年度見通し、海空輸出2年連続増。コロナの影響一巡、海上混乱は上期まで

表・グラフ

 日通総合研究所は24日、「2021・22年度の経済と貨物輸送の見通し」を発表した。22年度は新型コロナウイルス禍の反動増が前年度で一巡し、海上・航空共に輸出量が2年連続でプラスとなる見通し。海上輸送の混乱・供給不足については上期まで継続すると予測。北米西岸港湾の労使交渉の長期化などで、航空輸送は海上からのシフトが再拡大する可能性がある。

 21年度の主要8港の外貿コンテナ輸出は前年度比9・0%増と、前回公表値(8・8%増)から上方修正した。上期はプラス幅が2桁台で推移するも、下期は1%前後の小幅な増加にとどまる。外貿コンテナ輸入は2・8%増と、前回公表値(4・8%増)を下方修正した。

 22年度の外貿コンテナ輸出は21年度比4・5%増の506万TEU(実入り)で、貨物量はコロナ前(19年度)を上回る水準となる見通し。品目別で見ると、建設・産業機械などの一般機械は海外の設備投資需要が拡大し下期にかけて増勢が強まる。自動車部品も半導体不足の緩和・解消や自動車工場生産の正常化に伴い、荷動きが復調する。ただし、海上輸送の正常化が下期以降にずれ込むと伸び率は縮小する可能性がある。

 外貿コンテナ輸入は2・6%増の745万TEUと2年連続のプラスを見込む。個人消費が上向く中、消費財の荷動きはおおむねプラス基調を維持し前年度に近い水準の伸びが見込まれる。設備投資は下期にかけて拡大が加速し、生産用部品・部材類や機械類の輸入は引き続き活発な荷動きとなる。中国依存低下を目指す東南アジアへの生産拠点・調達先分散の進展により、移転先国からの調達増も見込まれる。

■航空輸出6・8%増へ

 21年度の航空輸出は28・5%増と、前回公表値(24・6%増)から上方修正した。全体の6割超を占めるアジア線が2割台の増加となるほか、海上からのシフトも継続する。航空輸入は19・7%増と、前回公表値(14・8%増)を上方修正した。

 22年度の航空輸出は6・8%増の138万トンで、貨物量は前回好況期の18年度を上回る水準となる見通し。太平洋線と欧州線は海運からのシフトが上期まで継続し、1桁台後半の増加となる。アジア線は前年度の新型コロナ感染再拡大の反動もあり、下期にかけて増勢が拡大する。

 品目別では半導体関連(電子部品・製造装置)は、IoT(モノのインターネット化)や高速通信規格「5G」の普及本格化に加え、デジタル化の進展を受けて好調に推移。自動車部品については、半導体不足の緩和・解消に伴う自動車工場の生産正常化・挽回生産やEV(電気自動車)シフト関連需要の拡大を受けて、荷動きが持ち直す。

 航空輸入は4・2%増の152万トンと2年連続のプラスを見込む。テレワーク関連の電気機器などの荷動きは落ち着くが、EC・通販関連貨物は拡大基調が継続。半導体等電子部品・機械部品等の生産財は、設備投資の拡大が加速し、活発な荷動きが続く。海外生産拠点の国内回帰や調達先国の分散が進み、部品・部材類の調達増が物量を押し上げるほか、4―6月期は新型コロナワクチン(追加接種用)や治療薬などの医薬品・医療関連の緊急輸入・特需による下支えが期待できる。