海事アカデミア2022
 印刷 2021年12月28日デイリー版3面

トレードワルツ・スタンデージなど、電子BLと仮想通貨を同時交換。新貿易決済、23年度に実用化

 東京海上日動火災保険、NTTデータ、STANDAGE(スタンデージ)、トレードワルツは27日、ブロックチェーン(BC、分散型台帳)技術を活用し、電子BL(船荷証券)とデジタル通貨を同時に交換する貿易決済の仕組みを2023年度に実用化すると発表した。4社によると、こうした仕組みは世界初。貿易決済のリスクをなくすとともに、決済にかかる時間を短縮しコストを低減する。

 4社は国内外で電子BL流通のための法整備が進んでいることや今後デジタル通貨が国際的に普及することを見据え、8―12月に実証実験を実施した。トレードワルツの運営する貿易プラットフォーム(PF)「TradeWaltz」で電子化したBLとデジタル通貨の同時移転が可能と確認した。

 スタンデージはBCを使ったデジタル決済機能を核とする貿易PFを運営している。実験ではNTTデータが複数のBCを連携するインターオペラビリティー技術を、スタンデージがデジタル通貨の移転技術を提供した。専門商社の松尾産業、中古車輸出などを手掛けるウィル・ビーなども検証先として参加した。

 新たな仕組みにより、貿易の売り手にとっては代金未収、買い手にとっては商品を受け取れないといった債務不履行のリスクがなくなる。

 LC(信用状)発行や保険の付保、輸送在庫や債権を買い取るファクタリングなどリスク回避のためにかかるコストも不要になる。

 このため、中小企業でも貿易取引がしやすくなり、これまで債権・債務履行の時間差のためにあった国際売買契約や法律上の解消にもつながり、貿易取引の裾野が広がることが期待される。