海事アカデミア2022
 印刷 2021年12月03日デイリー版2面

MariTech 海事未来図】日本郵船・ABSなど、GHG削減へ船舶設計最適化。バッテリー複合装置活用

シミュレーション実施のイメージ
シミュレーション実施のイメージ

 日本郵船と同社グループのMTIは2日、米船級協会ABS、スイスの舶用主機関設計大手ウインターツール・ガス・アンド・ディーゼル(WinGD)と共に、舶用主機関のバッテリーハイブリッドシステムを活用し、GHG(温室効果ガス)排出削減に向け船舶設計を最適化する共同研究を開始したと発表した。各社のモデル化=ワード参照=技術を結集して船舶の統合シミュレーションモデルを構築し、デジタル空間で船舶の試設計を行う。

 今回の共同研究は、日本郵船とMTIが持つ船舶の実海域性能に関する知見、WinGDのバッテリーを含めた機関プラントのモデル化技術を組み合わせて船舶全体の統合モデルを構築。ABSからGHG削減効果の評価を得ながら、デジタル空間で船舶を試設計する。

 試設計モデルは、実海域の気象海象を想定した運航シミュレーションを重ね、明らかになった課題を反映して改善を図っていく。

 バッテリーハイブリッドシステムは、主機関の負荷変動時にバッテリーから船内に電力を供給する装置。軸発電機の負荷を軽くし、船が推進に使える力を増やすことができる上、効率的な主機関の運転が可能となる。

 さらに同システムは発電機関の代わりに船内の機器運転や生活用に電力を供給でき、GHG排出削減にも寄与する。

 郵船とMTI、ABS、WinGDは今後、造船所と協力し、共同研究で得られたシミュレーション結果と実際に竣工した船の実海域でのデータを照合し、シミュレーション精度を向上。郵船グループの新造船計画における中心的な技術に位置付けていく。

 【ワード】

 モデル化 機器の動作や性能などを主に数式を用いて表現する手法。