印刷 2021年11月29日デイリー版3面

陸運大手7社、上期2桁の営業増益。荷動き改善、コスト管理奏功

表・グラフ

 陸運大手7社の上期(4―9月)業績は、全社が増収増益となった。国内の荷動きは緊急事態宣言や半導体不足による自動車生産の停滞で予想を下回ったものの、大きく落ち込んだ前年同期から改善傾向が続いた。業務の効率化や内製化による外注費の抑制などが効いたほか、フォワーディング事業の寄与も見られ、全社2桁の営業増益だった。宅配需要も堅調に推移した。通期では燃油価格の高騰が懸念されるが、全社が増収・営業増益を予想している。

 大手7社は日本通運、ヤマトホールディングス(HD)、SGHD、セイノーHD、センコーグループホールディングス(GHD)、福山通運、トナミHD。

 日通は決算期を3月末から12月末に変更するため、12カ月換算ベースの業績を見ると、営業利益は62%増だった。日本では緊急事態宣言や山陽地域の大雨による鉄道の不通、半導体不足による自動車産業などでの工場の稼働停止が響いたが、航空、海運フォワーディング事業が業績を押し上げた。EC(電子商取引)関連も堅調に推移。今後の荷動きについては緊急事態宣言の解除により、回復を見込む。

 セイノーHD、福山通運、トナミHDの路線便大手の業績も好調だった。セイノーHDは好調業種への営業を積極化するとともに顧客情報を一元管理し、貨物取扱量を前年同期から6%増やした。一方で、貨物取扱量に合わせた費用の最適化や路線便の運行効率化に取り組み、営業利益を39%増に伸ばした。

 福山通運は人件費や燃料費が増加したが、業務の自社化で外注費を抑制。トナミHDは運送形態の効率化、事業部間の戦力共有や連携強化による輸送業務の内製化を進めた。モノがネットにつながるIoTを活用した事務作業の生産性向上などコスト管理の強化も奏功し、利益が上振れした。

 センコーGHDの営業利益は21%増。拡販やコスト改善、生産性向上に加えて前期に実施したM&A(合併・買収)が寄与した。

■通期4社が上方修正

 宅配便が主力のヤマトHD、SGHDも好調だった。ヤマトHDはEC関連の需要を取り込み、宅配便取扱個数が11%増。EC事業者向けのサービスの配送委託、宅配便ネットワークの最適化により、集配委託費などの適正化が進み、営業利益が予想を上回った。

 SGHDの宅配便取扱個数はBtoB(企業間)が増加した一方、BtoC(企業発消費者向け)の前年同期からの反動減があり、前年同期並み。エクスポランカのフォワーディングが増益に大きく寄与した。

 2022年3月期予想については、営業利益段階では日通、SGHD、センコーGHDが上方修正した。ヤマトHDは売上高、経常利益、純利益をそれぞれ上方修正したが、ネットワーク構造改革の費用増を踏まえ、営業利益予想は据え置いた。セイノーHDは景気動向や燃料費の高騰などを織り込み、売上高、利益ともに下方修正した。